糖尿病とたばこの関係について

奈良女子大学教授 医学博士 高橋裕子

みなさん、糖尿病とたばこの関係をご存知ですか?

たばこを吸うと肺がんになりやすいということは、みなさんご承知かと思いますが、糖尿病とたばこの関係は意外と知られていません。このコーナーでは、たばこを吸うと糖尿病になりやすいということ、また糖尿病の合併症が進行しやすいこと、そしてたばこを楽にやめる方法をQ&A方式でご説明していきます

Q1:どうしてたばこを吸うと糖尿病になりやすいの?

A1:たばこに含まれているニコチンは血管収縮を起こし、血液中の糖が肝臓や末梢組織に速やかに運ばれ処理されるのを妨げます。また慢性的に交感神経系を興奮させ、血糖上昇作用のあるアドレナリン、副腎皮質ステロイド等のホルモンを放出させるとともに、インスリンの作用を妨げ、インスリン抵抗性をきたします。そのため、常習喫煙者では、治療をしていても血糖コントロールが不良との報告もあります。

Q2:喫煙者では糖尿病の合併症が進行しやすいって本当ですか?

A2:はい、本当です。喫煙は糖尿病合併症の最大の予後悪化因子とも言われ、喫煙者では糖尿病3大合併症である糖尿病性網膜症、腎症、神経障害の発生リスクが増加しています。また、歯周病、足の壊そ、白内障、緑内障等の進行も助長します。糖尿病と喫煙という2つの動脈硬化の危険因子をかかえこむのは命知らずです。それから、糖尿病も喫煙もともに免疫を低下させ、各種感染症にかかりやすく、がん細胞が成長しやすいとも言われています。糖尿病になる前に、禁煙できるのが一番ですが、糖尿病の方で、今まだたばこを吸っている場合には、合併症が進行する前に、是非とも早く禁煙してくださいね。

Q3:たばこを楽にやめる方法をお教えください。

A3:昔と違って、今はたばこが楽にやめられる時代です。ニコチン切れの禁断症状を軽くするニコチンパッチやニコチンガムを使うことがポイントです。ニコチンパッチはH18.6から保険が効くようになりました(保険適用医療機関はhttp://kinen-marathon.jp/info/hospital-04/参照)。ニコチンガムは薬局で購入できます。また、私が主宰しておりますITを使って禁煙をお手伝いする禁煙マラソン(http://kinen-marathon.jp/)もご利用ください。たばこを吸いにくい環境づくり(敷地内禁煙や建物内禁煙等の受動喫煙防止対策の推進)も大切ですね。

おわりに:

徳島県にとり、大きな健康課題である糖尿病撲滅のためにも、たばこ対策の推進はとても重要です。徳島の住民の健康を守るため、行政(県市町村)と、たばこ対策に取り組むNPO法人「ほっぷSMOPじゃんぷ・子どもたちの未来へ」をはじめとする民間の関係機関がともに手を携えて、今後益々たばこ対策を発展されますよう祈念しています。

著者プロフィール:
内科医師 奈良県在住
昭和53年 京都大学医学部卒
昭和60年 京都大学大学院卒
平成06年 大和高田市立病院に禁煙外来を開設
平成13年 京都大学医学部附属病院 予防医療クリニック担当医
平成14年 奈良女子大学教授(現職)保健管理センター長


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