アルコールについて

寺沢病院 管理栄養士 糖尿病療養指導士 秋田賢子
  糖尿病にとって、アルコールはよくないのでしょうか?

 アルコール摂取は、適量であれば体によい面もあるといわれています。 ただし、これは、一般論で、糖尿病の人にはあてはまりません。糖尿病の人の場合、「原則禁酒」がよいとされています。その理由として、以下のような問題があります。
(1) アルコールによって食事摂取量を守れなくなる。
(2) おつまみで塩分摂取量が増える。
(3) 中性脂肪が高くなりやすい。
アルコールが肝臓で分解されるときに、中性脂肪の合成を促す作用があります。
「高中性脂肪血症」は、高脂血症のタイプの一つで、動脈硬化を進みやすくします。
(4) アルコール性低血糖の危険がある。
飲酒によって、ブドウ糖が肝臓から血中へ放出されにくくなり、血糖値が下がることがあります。糖尿病の飲み薬を服用している人では、血糖を下げる作用がいつもより長引くことがあります。また、酔いのために低血糖症状がわかりにくくなり、低血糖になっても、その症状に気付くのが遅れます。そのうえ、肝臓からブドウ糖が放出されにくいため、低血糖の回復が遅れます。このようにして起こる低血糖を「アルコール性低血糖」と呼んでいます。低血糖昏睡に陥っていても、周囲の人からは酔って寝ているように見られてしまう可能性があり、緊急処置が遅れる危険性もあります。
(5) 肝障害や膵疾患を招く可能性がある。
アルコールは肝臓で分解され代謝されますので、アルコールを飲み過ぎると、肝臓の負担が大きくなって、肝炎、肝硬変などの病気を引き起こします。
(6) 高尿酸血症(痛風)を招く可能性がある。
  アルコールのエネルギー量
 アルコールは1g あたり約7kcalのエネルギーを持っていますが、熱として放出されやすく、また、アルコール自身には栄養素は含まれていないため、エンプティーカロリー(空のエネルギー)と呼ばれています。日本酒、ビール、ワインなどのアルコール類のカロリーは、原料の持つカロリー(糖質と微量の蛋白質)とアルコールの持つエンプティーカロリーの二本柱から構成されます。 飲酒時に、問題となるのは、おつまみのカロリーです。また、アルコールを飲み始めると、つい自制心が緩んでしまい、指示エネルギー量を超えてしまうことが多く、 その積み重ねが体重増加や血糖コントロールの悪化を招いてしまいます
 糖尿病では「原則禁酒」ですが、主治医が飲酒を認める場合があります。
 主治医の許可のもとで飲める条件とはどれくらいですか?     
一般的には次の条件を満たす時、2単位(160kcal)を限度に、主治医より、飲酒が認められています。 飲酒して良いかどうかは、主治医に相談しましょう。
血糖コントロールが良好で安定している
体重が管理できている 。
薬物療法をしていない 。
糖尿病合併症や、飲酒制限が必要な病気(肝疾患、膵疾患、痛風等)がない 。
飲酒量の限度を守る自制心がある。
上手な飲み方について
(1) 飲酒量は、1日2単位 (160kcal) までにしましょう。
(2) 週2回は、飲まない日を作りましょう。
(3) おつまみのエネルギー量に気をつけましょう。
(4) 宴席での飲み方を工夫しましょう。
ビールや日本酒などは、相手にすすめられやすいので注意しましょう。、  
焼酎や水割りにしてはいかがでしょうか。
また、馴染みの店を作っておき、自分だけにはウーロン茶などを 出してもらうように頼んでおく方法もあります。
1日の適量、2単位(160kcal)の量
酒 類 2単位=(160kcal)
の量(ml)
2単位に含まれる
糖質の量(g)
常用量に含まれる
エネルギー量(kcal )
ビール 400 ml 12g 大びん(633ml)= 253 kcal
中びん(500ml)= 200 kcal
小びん(330ml)= 132 kcal
ワイン 200 ml 4g ワイングラス(小)1杯
(100ml)=80kcal
日本酒 140 ml 6g 1合(180ml)=192kcal
焼酎35度 80 ml 0g 1合(180ml)=360kcal
ウィスキー 60 ml 0g ウイスキーグラス(S)1杯
(30ml)=69kcal
ブランデー 60 ml 0g ウイスキーグラス(S)1杯
(30ml)=69kcal
(日本糖尿病学会編:糖尿病食事療法のための食品交換表・第5版に基づく)
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